高級な薬液を入れるタンクはここが違う！

高純度薬液とはどういうもの？

半導体製造で使用されるフォトレジストやエッチング液、また液晶パネル製造に使用する液晶材料などは非常に高価な液体です。
これらはいずれも製造工程で必要不可欠な薬液であり、生産や運搬をするためには容器が必要となります。
ユニコントロールズでは、このような液体を入れるのタンクを製造をするうえで、様々な処理を施しています。

クリーンなハイグレードタンクにするために施す処理

電解研磨

通常のタンク内面処理後に『電解研磨』の処理を行います。
電解研磨とは、電気と薬品（電解液）の力によって金属の表面を溶かして研磨する方法です。

ではなぜ電解研磨を施すのでしょうか？主な目的は以下になります。

・目に見えない微細な汚れの除去
・バフ研磨などの物理的研磨をしにくい場所も研磨する
・酸化被膜を生成し、より強い耐食性をつける
・光沢を出し、見た目をきれいにする

高級な液体を取り扱うタンクにするためには、電解研磨は欠かせない表面処理となります。

電解研磨以外にもコーティングや不働態化処理、化学研磨など、いろいろな処理のご対応ができますのでご相談ください。

精密洗浄

次に、電解研磨の施工後には『精密洗浄』を施します。
精密洗浄とは、目に見えないほどの汚れや残留物を取り除くことのできる、化学的な処理方法を行う洗浄です。

主な処理工程は以下のフロー図をご参照ください。

このような処理を行い汚れやパーティクル、イオンなどを除去します。洗浄後の包装は、クリーンルームおよびクリーンブース内のきれいな環境で行います。

クリーンブースを活用する

お客様へ納入後すぐにご使用していただけるよう、精密洗浄後に配管やバルブなどの機器接続や圧力試験などを行うことが多々あります。
せっかくきれいに洗浄したタンクを再び異物が付着する環境にさらすわけにはいきません。

当社の工場では『クリーンブース』を設備しているため、精密洗浄後の部品組付けや圧力試験、包装などの作業をクリーンな環境で行うことができます。

クリーンブース内の作業

クリーンブースの清浄度はクラス1000（ISO　Class6）相当、圧力試験は窒素ガスを使用し、クリーンフィルター・クリーンレギュレータを介してタンクを加圧します。
検査後はクリーンブース内で脱気シーラーを用いて包装します。
脱気シーラーとは、ノズルで袋の中の空気を吸引後、シール（封止）する機械です。

このようにクリーンな状態で包装をし、お客様へ納入することができます。
納入後はそのままお客様のクリーンルームでご使用いただけますので、洗浄の手間を省くことができます。

終わりに

高級な薬液を入れるためのタンクはこのように施工されています。
液剤メーカー様からユーザー様へ高純度薬液を供給する際には、丈夫でクリーン、加圧もできるステンレスタンクが最適です。
タンクにレーザーマーキングを施工することで、タンクの個体管理・シリアル管理も簡単に行えます。
最適な製品をご提案いたしますので、気軽にお問合せください。